「海外から、自分の好きな雑貨を仕入れる仕事がしたい」「海外のかわいい雑貨を開発・選定してみたい」という漠然とした夢を持っている方は多いのではないでしょうか。ただ、どうしたら自分の夢が実現できるのか分からない方が大半です。
実はこのような夢を叶える方法はいくつかあります。「バイヤーの仕事に就いて海外の買い付けや商品企画に携わる」「雑貨の生産管理・新商品開発に関わるポジションに海外で現地就職する」「海外の雑貨店に就職する」などです。
さらに経験を積んだ後、「自分が本当に好きな雑貨を買い付けして自らのショップを立ち上げる」というステップアップも可能です。
ここでは、海外雑貨の仕入れや雑貨の商品開発・企画、海外で雑貨に関する仕事に就きたいと考えている人のために具体的な方法を紹介していきます。
もくじ
輸入雑貨のバイヤー求人はアパレル業界に多い
雑貨のバイヤーと聞くと、「北欧食器やオシャレなインテリアを海外から仕入れる担当者」などと想像する方が多いです。しかし実際に雑貨のバイヤー求人数が多いのはアパレル業界です。そのため雑貨の中でもバッグ・アクセサリー・靴といった服飾雑貨が中心となります。
例えば以下の求人をご覧ください。繊維専門商社がアパレル・雑貨の海外担当バイヤーを募集しています。
勤務地は東京です。業務内容は「海外仕入れ先開拓」「商品開発」「納期・品質管理」「貿易事務(経験不問)」です。海外からの仕入れ以外にも商品開発や貿易事務に携われるので幅広いスキルを身につけられます。
応募資格は「アパレルもしくは服飾雑貨の取り扱い経験者」「英語が堪能」であることです。バイヤー経験は必須条件ではないので、服飾雑貨に関わる仕事に就いていた経験があれば応募できます。
また、このポジションは海外まで仕入先を選定に行くので海外出張を伴います。グローバルに活躍できるポジションです。ちなみに年収は500~600万円です。「雑貨の中でもファッション系雑貨が好き」という方には、このような求人がおすすめです。
欧米・北米に買い付けに行けるアパレルバイヤー
海外出張といえば欧米や北米に憧れを持つ方も多いです。アパレルバイヤーであれば、海外展示会に参加したり、海外での買い付けのために欧米・北米・アジアを周ったります。
例えば以下の会社では、バイヤーを募集しています。衣料・雑貨などの輸入販売をしている大手アパレルメーカーです。
勤務地は東京都です。海外・国内展示会での交渉や買い付け、自社展示会のサンプル選択や商品企画、シーズンテーマや構成の決定などの業務に従事します。
アパレル業界に憧れのある方にとって、ファッションの中枢に関われるポジションは魅力的といえます。応募条件は「アパレルでのバイヤー経験3年以上」「海外出張に対応できる英語力がある」ことです。
アパレル業界以外で雑貨を取り扱うバイヤー求人も存在する
バイヤー職はアパレル業界が多いと述べましたが、もちろん生活雑貨や美容雑貨の海外バイヤー担当の求人も存在します。例えば以下の求人では、提案する商材を自由に選んでビジネスを構築できるバイヤーを募集しています。
勤務地は大阪です。バイヤー業務は仕事内容の一部で、企画提案から仕入先探し、納品まで一貫して担当します。具体的には商品企画・提案やデザイン・サンプル収集・工場との調整などです。また、展示会への参加なども重要な仕事です。
担当を持つようになれば、品質管理や工場への指導などのために月に1度、海外出張に赴きます。
応募必須条件は「営業経験」「仕入先の選定をした経験(雑貨屋や日用品の営業経験、バイヤー、商品企画など)」です。
英語力はTOEIC600点程度との記載がありますが必須ではありません。また、TOEIC600点はそこまでハードルの高いレベルではないので、この求人に関して英語力はそこまで求められていないことが分かります。
また、このような企業では自分で商品企画・開発ができるため、将来的に独立を考えている方には良い経験が積めるといえます。
海外に行けるのは雑貨の買い付けバイヤーだけではない!現地就職も可能
雑貨が好きな人であれば、海外で雑貨の生産に関わったり、海外の雑貨屋に就職したりする方法もあります。バイヤーの場合、海外出張はあるものの海外で暮らすことはできません。しかし海外転職すれば海外で暮らすことが可能です。
例えば以下ではベトナムの老舗雑貨屋で日本人マネージャーを募集しています。
勤務地はベトナム・ハノイです。この雑貨店はガイドブックには必ず掲載されているほど有名です。自社工房で職人達が商品を手作りしています。
ここでゼネラルマネジャーとして商品企画・デザイン・店舗のディスプレイや接客に従事します。
またハノイでの勤務以外にも、ホーチミンへの出張や日本などに生地の買い付けに行くことがあります。出張で日本に帰れるのは有難いことです。
月給は13.2~16.5万円(1米ドル110円で算出)です。さらに保険と寮が福利厚生に含まれているので、物価の安いベトナムでは十分に暮らしていけます。
私自身ベトナムに旅行したとき、かわいい雑貨屋がたくさんあるので夢中になって買い物を楽しみました。日本にはないデザイン、細かい刺繍、ハンドメイドなのに安価なことから、雑貨好きにはたまらない国だと思います。
そんなベトナムの老舗雑貨店に海外就職するチャンスがあるのです。
雑貨のモノづくりに携わりたい場合は?
他には、雑貨やインテリアの新商品開発を自らのアイディア・デザインで提案し、商品化できる求人もあります。以下の求人がこれに該当します。
勤務地はモロッコです。この企業では、モロッコの自社工房で職人によって生産された商品を日本に輸出して販売しています。
仕事内容は新デザイン提案・新商品開発・サンプル制作・商品買い付けなどです。通訳の助けを借りずに英語あるいはフランス語で現地の職人たちと一緒にモノづくりを進められるコミュニケーション能力が求められます。
あなたのデザインした雑貨が日本の雑貨屋で取り扱われているのを想像すると、とてもやりがいを感じるのではないでしょうか。
雑貨の品質管理と仕入れ担当ができる海外勤務のポジションも
なお雑貨関連のバイヤーは、日本からの海外出張という雇用形態がほとんどですが、中には海外勤務のバイヤーも存在します。例えば以下の求人では、日用品雑貨の品質管理と仕入れを担当する人材を募集しています。
勤務地は香港です。ただし、香港以外にインドやバングラディッシュのクライアントへ訪問します。雑貨の品質管理やバイヤー業務以外にもスケジュール調整や原価管理に従事します。
応募資格は「社会人経験3年以上」「インドへの渡航経験(旅行でもOK)」「英語準ビジネスレベル以上」です。
「インドへの渡航経験」が応募条件に含まれていることに疑問を感じる人もいると思いますが、インドはカルチャーショックを受けやすい国として有名です。
渡航経験無しにインドへ出張に行き、ショックを受けてしまうことを避けるためにもあらかじめインドの実情をよく知っている人材を採用したいというのが企業側の考えです。
このような求人に応募すれば、バイヤーとして海外勤務し、さらには様々な国を訪問しながら雑貨と触れ合うことができます。
海外の雑貨ショップスタッフとして働くことも可能
さらに日本人観光客が多く訪れる海外の雑貨屋では、日本人スタッフを募集することがあります。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務地はドイツの中世の町といわれるローテンブルグです。世界中から毎年100万人以上の観光客が訪れる小さな町のワインと雑貨の店で販売スタッフを募集しています。
具体的には、ドイツの雑貨やキッチン用品の販売・入荷処理・陳列・ワイン試飲サービスなどの業務に従事します。
応募必須条件は「30歳未満で就業経験」「ドイツ語・英語・その他の外国語の日常会話力」があることです。
このショップを訪れるのは日本人観光客だけではないため、語学力が求められます。また、ショップは店頭だけではなくインターネット販売にも力を入れているので、ホームページの更新・フォトショップの作業経験があると選考において有利です。
歴史深いヨーロッパの小さな町でかわいい雑貨に囲まれて働けるので、憧れる人も多いと思います。ただし、ヨーロッパの小さな町で生活するにはそれなりの覚悟も必要です。
ドイツのようにキリスト教色の強い国では、日曜日には基本的にスーパー・ショッピングセンター・デパートは営業していません。
日本のように24時間365日営業しているコンビニなどは存在せず、日本の生活に慣れている人は不自由に感じます。また、娯楽も少ないため退屈に感じることもあると思います。
そのため「便利な都会暮らしがいい」という方の場合、現地就職ではなく海外出張のあるバイヤーのポジションを狙う方が賢明です。
雑貨ショップをいきなり立ち上げるのは危険
なお中には、転職ではなく海外雑貨を絡めた起業を考えている人がいるかもしれません。
バイヤーの仕事に就かなくても、「自分で雑貨を海外に買い付けに行って、雑貨店を開業したらいいのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。今やコストをかけず、簡単にオンラインで自分のショップを持つことが可能です。
ただ、「海外で仕入れた雑貨をネット販売してみる」という方法は簡単そうに見えますが、経験無しにいきなりスタートするにはリスクが伴います。
- 信頼できる仕入れ先をどのように見つけるのか
- ビジネス相手とのコミュニケーション・交渉はどのように行うのか
- 渡航費や輸送費などの経費を差し引き、どのくらい利益が見込めるのか
- 関税や法律に引っかからないか
これら様々な課題をクリアしていかなければなりません。
できるだけリスクを回避して事業で失敗しないようにするには、やはり起業までに経験を積み、スキルを身につけておく必要があります。
ネットで自分の店を開業することは簡単ですが、まずはあなた自身の能力を高めるために関連企業に就職しましょう。そこである程度の経験を積んでから独立を考えるのが賢明です。
まとめ
日本国内の雑貨屋のショップスタッフを希望する場合、求人は豊富にあります。しかし、輸入雑貨の仕入れや雑貨の商品開発・海外の雑貨屋に就職となると状況は大きく変わります。ただ、ここで紹介した通り求人が無いわけではなく、様々な選択肢があるのです。
- バイヤーとして海外から雑貨を仕入れる
- 一から海外雑貨のモノづくりに携わる
- 海外で生産される雑貨の品質管理を担当する
- 日本人観光客が多く訪れる海外の雑貨店の販売員になる
このように、ポジションは豊富にあります。
このような求人の中からあなたの希望・キャリアプラン・適性などを考えてチャレンジしてみるといいです。特に将来的に独立を考えている人の場合は、幅広い業務を担当できるポジションに就くことをおすすめします。まずは海外転職サイトに登録して求人に目を通してみるといいです。
海外転職を実現するときであっても、転職サイトを利用するのが一般的です。日本に居ながら転職活動をするのが普通なのです(海外在住者も同じく転職サイトを使い、現地で活動する)。
ただ、海外転職に対応している転職エージェントは少ないです。日本にある転職サイトはほとんどが国内求人のみに対応しているからです。ただ探せば、問題なく海外求人に対応している転職サイトを利用することができます。
しかし、海外求人はそれ自体がレアです。また、「アジアに特化している」「専門性の高い求人ばかり保有している」など、転職サイトごとに特徴があります。そこで、2~3社の転職エージェントを利用して、見比べながら求人を探さなければいけません。
人によって狙っている国や求人は異なります。そこである程度まで求人の条件を絞って転職活動をしましょう。そのために必要な「海外対応の転職サイト」の特徴や違いについて、以下で記しています。