海外転職であっても、日本で転職するときと同様に、今までの経験を活かせる職種を選ぶのが基本です。スキルを活かした求人探しを行えば、海外転職を実現しやすくなります。

このとき、中には人事としての経験を活かして海外転職を考える人もいるでしょう。

それでは、人事の経験を活かして海外転職することは可能なのでしょうか? また海外で人事の仕事に就くためには、どのようなスキルを求められるのでしょうか?

ここでは人事職の海外転職について解説していきます。

海外で働ける人事の転職求人

一般的に、人事は人材の配置・調整や勤怠などの管理を行います。これは海外で人事として働く場合も同様です。人事の経験を活かして海外転職する場合、現地のスタッフや日本からの駐在社員などの人員管理を行います。

また会社によっては、人事だけでなく総務の仕事も担うケースもあります。特に会社や現地の組織人員が小規模である場合、総務が人事業務を担うケースが多いです。

例えば以下は、海外転職の人事求人です。

この求人では、日本からの出向者の各種手続きや住居の手配など人事業務だけでなく、政府との調整など総務としての仕事も発生します。

そのため海外転職では人事の求人であっても、事業所の規模によっては総務の仕事も求められる可能性があることを覚えておきましょう。

駐在求人だと、さまざまな国での経験を積める

なお人事の海外転職求人には、大きく分けて駐在採用現地採用の2種類があります。これらのうち海外で働きたいと思ったとき、多くの人が思い浮べるのが海外駐在でしょう。

駐在員は「エリート」「出世コース」などのイメージが強く、憧れる人の多いポジションです。実際、日本企業の海外駐在員は一般的な社員に比べて給与が高く、昇進しやすくなる傾向にあります。

また駐在員の人事として働く大きなメリットの一つに、さまざまな国での業務経験を積みやすい点があります。

日本企業の海外駐在員は、支社がある国すべてが駐在先の候補となります。そのため会社の支社展開や辞令次第では、いくつもの国で経験を積むことができます。例えば以下は、海外にいくつも支店を展開している企業の人事求人です。

この求人では将来的にシンガポールやインドネシア、イギリスなど、さまざまな国への異動があります。このような求人を選べば、複数の国での業務経験を積むことができます。

一方で駐在の求人だと、辞令次第では「気に入った国での生活を手放して他の国へ行く」という必要もあります。また駐在の場合、働く国を自ら選ぶことはできませんし、最終的には日本での仕事に戻る可能性も高いです。

そのため駐在の人事求人は、「さまざまな国での生活を経験してみたい」「出世の足掛かりにしたい」という人におすすめです。

現地採用の求人だと海外での生活を継続できる

これに対して現地採用では、採用された国で働き続けることができます。例えば以下は、日系企業が現地採用で出している人事スタッフの求人です。

この求人の勤務地はバンコクとなっているため、タイで働き続けることができます。このような求人を選べば、会社の辞令に左右されず、現地での生活を続けることができます。

そのため特定の国で生活し続けたい人や海外で暮らし続けたい人は現地採用の求人を選ぶといいです。

なお人事の海外転職は、アジア圏が勤務地となる求人が多いです。ただ中には、欧米の人事求人もあります。例えば以下は、アメリカにある日本語学校の人事求人です。

このようにアジア圏に比べて数は少ないものの、欧米の人事求人もあります。そのため暮らしたい国がある程度決まっているのであれば、希望エリアを中心に現地採用の人事求人を探してみましょう。

グローバル人事(=海外で働ける求人)ではないので注意が必要

このとき、中には海外で働ける人事の求人として「グローバル人事」を選ぼうとする人がいます。たしかにグローバル人事求人はその名の通り、さまざまな国と関りを持って仕事に当たることになります。

ただ一般的に、グローバル人事は駐在社員や現地社員などの人事管理を海外ではなく日本で行う職種が多いです。そのためグローバル人事職では、海外で暮らすことができない可能性があるため注意が必要です。

実際に以下は、グローバル人事の求人です。

この求人では「海外拠点に対して、ワールドワイドに働くことができる」と記されているものの、勤務地は東京となっています。

このような求人では海外への一時滞在(出張)は実現できても、海外で暮らすことはできません。そのため、人事の経験を海外で活かしたいのであれば、「海外への異動あり」「勤務地が海外」などと明確に記されている求人を選びましょう。

海外転職での人事求人で求められるスキル

それでは実際に海外で人事として働こうとしたとき、どのようなスキルを求められるのでしょうか? このとき、「資格がないと海外で人事の職に就くのは難しそう」と不安に思う日本人は多いです。

たしかにアメリカやイギリス、インドなどでは人事職の資格であるPHR(Professional in Human Resources)やSPHRなどの価値が高く、これらを取得していると人事として就職・転職しやすくなります。

ただ、海外での人事求人には特別な資格を必須としないケースも多いです。海外転職の人事求人の多くは日系企業の現地法人であるためです。

このような法人だと、日本で人事の転職に資格が不要であるのと同様に、海外転職でも資格が求められないのが基本です。例えば以下は、タイで現地採用となる人事の求人です。

この求人は就業経験や人事担当経験、実務経験などを必須条件としているものの、人事の資格については不問となっています。このように日本で人事としての経験があれば、人事に関連する資格を持っていなくても海外の転職求人に挑戦することができます。

最低でも日常会話程度の英語スキルは必須

ただ海外人事の仕事では、日常会話~ビジネスレベルの英語スキルが必要となるのが基本です。海外人事の業務では、現地の人とコミュニケーションを取る機会が非常に多くなるためです。

まず、海外人事としての仕事は大きく分けて2つあります。一つ目は現地のスタッフの採用や運用、人材育成などです。当然ながら、現地のスタッフの人事業務にあたるためには、円滑にコミュニケーションを取れる(=英語または現地の言葉を話せる)必要があります。

また2つ目は、海外へ駐在する日本人スタッフの人事業務です。この場合、社内でコミュニケーションを取るのは日本人です。

ただ、日本人スタッフが現地へ駐在する際には、さまざまな手続きが発生します。このような手続きは人事であるあなたが英語や現地の言葉を駆使して行うことになります。

つまり、日本人スタッフの人事業務にあたる場合であっても、海外人事の仕事では英語などの言語スキルが必要となるのです。

例えば以下は、現地採用となる人事の海外転職求人です。

この求人では日常会話レベル以上の英語を必須スキルとしています。そのため人事の海外求人に挑戦するためには、少なくとも日常会話レベルの英語力が必要となります。

現地の人と円滑にコミュニケーションできる能力が求められる

また海外の人事求人では、コミュニケーション能力が必要となります。特に海外では、相手の立場や考え方などを尊重した上で人間関係を構築していく能力が必要です。

当然ながら、価値観は人によって異なります。出身国が異なればなおさら仕事などに対する考え方が違って当然です。

例えば日本で仕事をする際、就業開始時刻や約束の時間などに5分でも遅れると「時間にルーズである」という印象を与えます。一方で海外では、「約束の時間前後に到着すれば問題ない(=遅刻ではない)」という考えを持つ国がたくさんあります。

また同様に、仕事に対する考え方も国によって大きく異なります。日本では会社の都合に合わせた日程で有休を取得するのが一般的ですが、海外ではプライベートを優先するのが普通です。

他には、例えばタイやフィリピンで働くとき、他の人の前で怒ると本人は「プライドを傷つけられた」と考え、あなたのことをずっと恨みます。海外では、日本と違って人前でしかるのは絶対にしてはいけない行為の一つです。

海外の職場で「日本では当たり前」の感覚を押し付けても理解してもらえません。物事の捉え方や価値観が根本から違うため、日本での働き方・考え方を強制すると不満が溜まる要因となるのです。

そのため海外の人事求人では、相手の考え方や価値観などを尊重した上でコミュニケーションを取れる人材が求められます。例えば以下は、インドの現地採用求人です。

この求人は日本人だけでなく、インド人とも良好な関係性を築けるコミュニケーション能力がある人を求めています。つまり、インド人の考え方や価値観を理解し、相手を尊重した上で意思疎通を図る必要があるのです。

そのため海外の人事へ転職する際には、日本人の価値観にとらわれず、相手の文化や価値観を認めてコミュニケーションを取るように意識しましょう。

まとめ

海外で働ける人事の転職求人には、大きく分けて海外駐在と現地採用の2種類があります。これらのうち駐在求人には、さまざまな国での生活を経験できるメリットがあります。

ただ駐在求人だと、辞令次第では気に入った国での生活を手放さなければなりません。また働く国を選べませんし、最終的には日本へ帰国となるケースが多いです。

一方で現地採用であれば、同じ国で働き続けることができます。そのため海外での生活を続けたいのであれば、現地採用の求人を選びましょう。

なおどちらの求人を選ぶ場合であっても、最低でも日常会話レベルの英語力や現地の人と円滑にコミュニケーションを取れる能力が求められます。これらを理解し、人事経験を活かして海外転職を実現しましょう。


海外転職を実現するときであっても、転職サイトを利用するのが一般的です。日本に居ながら転職活動をするのが普通なのです(海外在住者も同じく転職サイトを使い、現地で活動する)。

ただ、海外転職に対応している転職エージェントは少ないです。日本にある転職サイトはほとんどが国内求人のみに対応しているからです。ただ探せば、問題なく海外求人に対応している転職サイトを利用することができます。

しかし、海外求人はそれ自体がレアです。また、「アジアに特化している」「専門性の高い求人ばかり保有している」など、転職サイトごとに特徴があります。そこで、2~3社の転職エージェントを利用して、見比べながら求人を探さなければいけません。

人によって狙っている国や求人は異なります。そこである程度まで求人の条件を絞って転職活動をしましょう。そのために必要な「海外対応の転職サイト」の特徴や違いについて、以下で記しています。