結婚式を海外で挙げたいと希望するカップルは日本国内にたくさんいます。海外挙式は準備に時間がかからず、呼びたくもない会社の先輩や上司を招待する必要がなく、さらに「費用も国内挙式に比べると安く抑えることができる」といったメリットなどから人気です。

「日本人の海外挙式の需要がある」ということは、海外で日本人を必要とする求人があることを意味します。私自身、ハワイで挙式をしたとき、対応してくれた現地スタッフは全て日本人でした。チャペルの牧師さんのみ外国人でしたが日本語が通じました。以下は実際の式の様子です。

このように海外挙式でも日本のブライダル企業を通せば、全て日本語で済ませることができます。言い換えると、現地で日系のブライダル企業で働く場合、基本的に日本語のみで仕事をすることが可能です。

ここでは、実際に求人のある仕事を紹介しながら海外のブライダル関連の仕事の見つけ方について紹介していきます。

求人数が最も多い現地コーディネーター・現地スタッフの求人とは?

海外で求人があるウェディング関連の仕事の中で、最も求人数が多い職種は現地スタッフであるコーディネーターです。

現地コーディネーターは、プランの最終確認・結婚式当日の流れなどを新郎新婦と共に現地で打ち合わせします。必要に応じて日本のウェディングプランナーとも連絡をとります。

結婚式当日はスムーズに結婚式が進むよう、送迎からアシスタントまで全てのお手伝いを担当します。

私がハワイの挙式で就いてくれたコーディネーターさんは日傘をさしてくれたり、荷物を持ってくれたりと「そんなことまでしてくれるの?」というほど気配りのできる方でした。忙しい中、私のデジカメで写真もたくさん撮ってくれていました。

さらに私が疲れないよう最大限の配慮をしてくれて、数日のみのお付き合いでしたが、とても親近感を持てたことを今でも鮮明に覚えています。このように人生の思い出作りのサポートができる現地コーディネーターはやりがいのある仕事です。

実際に私が結婚式を挙げたハワイのチャペルでは、ブライダル現地スタッフの募集があります。

勤務地は美しい海と山に囲まれた自然の美しいチャペルです。以下は実際の挙式当日にチャペル前で撮影した写真です。

こちらのチャペルは有名芸能人も多数挙式しています。誰もがうらやむ、きれいなリゾート地で働くことができます。具体的な仕事内容は、挙式前日の打ち合わせと手配、当日の送迎、付き添い、受付業務などです。

応募資格は「短大卒以上」「日常レベルの英会話力」のみです。ブライダル業界が未経験でも挑戦できます。

そもそも日本からハワイの求人を見つけるのは非常に難しく、ましてや日常レベルの英会話力で応募できる職種はめったにありません。あったとしても既にハワイでの就労ビザを持っていることが前提の場合がほとんどです。

そのため「ハワイでどうしても働きたい!」という方は現地コーディネーターの仕事を探すことをおすすめします。

ちなみにハワイの場合、日本のブライダル企業がそれぞれのチャペルや教会・ホテルと契約しています。例えば、私が挙式したチャペルはグロリアブライダルという日本の企業が契約しています。

他の教会や特定のホテルはワタベウェディングが契約しているなど、1つのチャペルや教会にいくつものブライダル企業が仲介することはありません。

したがって、もしあなたが「このチャペルで働きたい」「このホテルウェディングの担当がしたい」という希望があるのであれば、その教会やホテルと契約を結んでいる日本のブライダル企業の求人を探すといいです。

グアムなど他のリゾートにもある現地スタッフ求人

日本人に人気の海外での挙式場所がハワイであるため、どうしてもハワイ求人が多くなりがちです。

ただ、海外挙式で日本人の求人があるのはハワイだけではありません。グアムもまた人気の挙式エリアです。ハワイに比べると日本から近いため、「年老いたおじいちゃん・おばあちゃんを呼びたい」「長期の休みが取れない」といった新郎新婦から人気があります。

以下は実際にグアムで募集がある現地ウェディングコーディネーターの募集要項です。

勤務地はグアムにあるチャペルです。挙式前の最終打ち合わせを行い、プランの内容・進行・衣装・挙式に関わる全ての確認をします。

応募資格は「感動的なウェディングをコーディネートしたいという意欲のある方」のみです。業界未経験でも挑戦できます。また、高い英語力も求められません。

アメリカはビザの取得が非常に厳しく「アメリカで働きたい」と考えても仕事がなかなか見つからないというのが現状です。しかし、ブライダル関連の仕事であれば、ハワイやグアムを含めビザ取得が難しいアメリカでもあなたが働けるチャンスがあります。

海外ウェディングの仕事、ヘアメイクの求人は?

海外ウェディング関係の仕事は現地コーディネーターだけではありません。結婚式当日の着付け・ヘアメイクも非常に責任のある仕事です。特にヘアメイクが気に入らない、あるいは似合っていないと一生残る写真やビデオの映像が全て台無しになってしまいます。

そのため一般的には、挙式前に自分のイメージを伝えながらヘアメイクさんに予行ヘアメイクをしてもらいます。日本人の髪質や顔立ちを理解していて、さらにきちんとコミュニケーションがとれる日本人のヘアメイクさんでないと、花嫁は安心してヘアメイクを任せられません。

こうした需要から、海外挙式でヘアメイクを担当する日本人向けの求人があります。例えば以下はフランス領ポリネシアのタヒチで求人のある、美容・オペレーションスタッフの中途採用募集です。

仕事内容は、ブライダルヘアメイクからタヒチ滞在中のサポート業務まで幅広い仕事を担当します。ウェディングセレモニーやパーティーの準備、セレモニーの予約などのオぺーレーション業務、各ホテルとの契約業務など様々です。

ヘアメイクだけでなく事務や接客のスキルも身につけられます。応募資格は「ヘアメイク経験者(ブライダル関連じゃなくてもOK)」「少なくとも2~3年海外勤務可能」の2つのみです。英語力は問われません。さらに美容免許を持っていなくても挑戦できます。

ヘアメイクの仕事は日本国内でも求人数は多くありません。しかし海外ウェディングに絞って求人を探せば、意外と見つかるのです。しかも特別な資格や語学力も求められないので魅力的な求人だといえます。

実際に私がハワイで挙式をしたとき、当日は担当のヘアメイクさんが滞在していたホテルの部屋まで来てくれました。そしてそこで、ドレスの着付けやヘアメイクをしてもらいました。

日本から飛行機でドレスを持ち運んだため、少しシワが入ってしまったのですがヘアメイクさんが特殊なアイロンで治してくれました。以下は、そのときの写真です。

ヘアメイクのレベルは正直なところ、高くありませんでした。後日、日本で2次会をしたとき日本の美容室でヘアメイクしてもらったのですが、その方がずっとセンスがあるヘアメイクだと思いました。

つまり、ヘアメイクとして一流のセンスやスキルがなくても海外求人では問題ないのです。

ブライダルビジネスに関われる!海外事業立ち上げスタッフの求人

ここまで紹介したウェディング関連の仕事は、現地コーディネーターやヘアメイクなど女性向けの職種でした。

しかし男性・女性共に活躍できる仕事もあります。例えば以下は、ベトナムのダナンにて新規事業の立ち上げを行うスタッフ募集です。

ウェディング事業の立ち上げのためにホテルとのプラン交渉や価格交渉、日本企業の問い合わせ対応、予約対応やスケジュール調整、見積作成などを担当します。ビジネスの中心に関われる仕事です。

将来的には、インドネシアやバリなど他のリゾート地で活躍できるチャンスもあります。応募資格は「海外(ベトナム)でキャリアを積む意志がある」「人と接するのが好き」「ブライダル業界に興味がある」「短大・専門卒以上」です。

語学力、学歴、ブライダル経験は問われず「海外でキャリアアップしたい」という熱意があれば誰でも応募できる内容です。

海外転職は勇気が必要ですが、こちらの求人の場合は長期的なキャリア形成まで考えることができます。

ウェディング専門のカメラマンとして活躍することも可能

また、ウェディング関係で重要なものに写真があります。当然、カメラマンの海外求人も存在します。

カメラマンとしてのスキル・知識を持っていても日本国内で活躍できる場はそう多くはありません。「海外だったら、もっとカメラマンの求人数が無いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、前述した通り、海外挙式では日本人カメラマンの需要があります。

私もハワイ挙式の後にオプションでビーチフォトツアーを申し込みました。美しいビーチを背景にウェディングドレスで撮影できるのは、ハワイ挙式の大きなメリットの一つです。担当してくれたのはもちろん日本人カメラマンです。

挙式前・挙式中・ビーチフォト、さらにはアルバム代・データを含めて20万円程度でした。ブライダル企業側にとって写真撮影はコストが大きくかからないので、利益率の高い仕事です。

顔の角度やポーズ、位置の指定など日本人同士でないとコミュニケーションはなかなか上手くいきません。これが、海外で日本人カメラマンの求人がある理由です。

参考までに、以下が実際にビーチで撮影してもらった写真の一部です。

ただしカメラマンの求人は基本的に、欠員が出た場合の補充となるので、いつでも募集が見つかるわけではありません。そうしたとき転職エージェントに登録して希望を伝えておけば、求人が掲載されたときに連絡してくれます。

例えば、以下のような中途採用がこれに該当します。

勤務地はグアムのタモン地区です。グアムウェディングの撮影やフォトツアーのカメラマンとして従事します。またアルバム作成も担当します。

応募条件は「カメラマンとしての経験がある」もしくは「専門学校などで学んだ経験がある」ことと、自動車運転免許証を保持していることです。

英語力はベーシックとの記載があるので、日常会話レベルで問題ありません。仕事場では日本語が8割、英語が2割となっており、頻繁に英語を使うわけではないです。

まとめ

ウェディング関連の仕事は夢のある素敵な仕事です。海外の美しいエリアで現地スタッフやヘアメイク担当、カメラマンとして活躍を望んでいる方は多いでしょう。

海外の中途採用募集ではありますが、顧客は日本人なので、日本人の求人があります。しかも就労ビザの取得が難しいアメリカのハワイやグアム、フランス領ポリネシアのタヒチなどでも求人があるのです。

ウェディング関連の仕事は、業界経験・語学力・学歴などが求められず誰でも挑戦しやすい職種といえます。特に、アメリカで仕事を探している方はブライダル関連の求人を探すことをおすすめします。

ただし、日本人の需要があるものの、常に豊富な求人があるわけではありません。そこで複数の転職サイトに登録して条件の合う求人を紹介してもらうといいです。


海外転職を実現するときであっても、転職サイトを利用するのが一般的です。日本に居ながら転職活動をするのが普通なのです(海外在住者も同じく転職サイトを使い、現地で活動する)。

ただ、海外転職に対応している転職エージェントは少ないです。日本にある転職サイトはほとんどが国内求人のみに対応しているからです。ただ探せば、問題なく海外求人に対応している転職サイトを利用することができます。

しかし、海外求人はそれ自体がレアです。また、「アジアに特化している」「専門性の高い求人ばかり保有している」など、転職サイトごとに特徴があります。そこで、2~3社の転職エージェントを利用して、見比べながら求人を探さなければいけません。

人によって狙っている国や求人は異なります。そこである程度まで求人の条件を絞って転職活動をしましょう。そのために必要な「海外対応の転職サイト」の特徴や違いについて、以下で記しています。