ワーホリや留学が終わって日本に帰国した人、あるいはワーホリ・留学期間が終わりに近づいている人の多くが今後の進路や就職活動に真剣に向き合っているのではないでしょうか。
日本の現実から離れ、海外生活を楽しむと「日本に帰国してきちんと働けるのか」「今の経歴で就職先はあるのか」と不安になる人も多いと思います。もしあなたが英語を習得して、海外での生活や仕事に対して楽しみややりがいを感じたのであれば、海外就職や英語を活かせる国内就職を選択することをおすすめします。
海外就職の場合、「そんなことを言っても、ワーホリあるいは留学先で就職口は見つからなかった」と言う人がいるかもしれません。しかし、勤務地の選択肢を広げれば求人はいくらでもあります。確かにアメリカやカナダ・オーストラリアなどの欧米諸国で就職先を見つけるのは厳しいです。
一方でシンガポール・タイ・ベトナム・インドネシアといった東南アジアであれば、英語を話せる日本人の需要は高く、求人は豊富にあります。特に20代であれば、市場価値は更に高まります。
そうしたとき、「どのように就職活動を進めたらよいのか」「どのような仕事の選択肢があるのか」について解説していきます。
もくじ
ワーホリ・留学後すぐに転職活動を開始するべき
プログラムが終了して日本へ帰国したら、すぐに転職活動を開始することが非常に重要です。もちろん帰国前に進めておくのもよいでしょう。あなたに何か専門スキルがある場合を除いて、「英語が話せる」「20代である」ことの2つが大きな市場価値を生むからです。
30代に突入してしまうとアラサーでは職種経験が求められるようになり、未経験からの転職活動が難しくなります。未経験・経験が浅い状態からの転職は、20代の間に進めるようにしましょう。
そのため、1日でも早く海外転職サイトに登録することをおすすめします。このとき求人の選択肢を増やすために、なるべく複数の転職エージェントを利用するといいです。例えば以下のような求人は20代をターゲットとしています。
インドネシア・ジャカルタにある日系大手通信会社が若手営業スタッフを募集しています。求人票に「20代女性活躍中」との記載があり、こちらの企業は「20代の女性を採用したい」と考えていることが伺えます。
業界未経験であってもゼロから研修してもらえるので困りません。応募条件は「英語力」「2年以上の営業経験」です。社会人になってから2年以上営業に関わる仕事に就いていれば応募できます。
事前にTOEICを取得しておく
また、就活を開始すると同時にTOEICのスコアを取得しておくことも必須です。留学やワーホリ期間の終了前や帰国後すぐにTOEICは受けましょう。海外転職では応募必須条件にTOEICのスコアが記載されているケースがあるからです。また、スコアを持っておくことで「英語ができる」というアピール材料になります。
例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先は日系商社のベトナムオフィスです。ここで、社長秘書・総務・企画を担当します。具体的には議事録やレター・報告書の作成やベトナム市場・企業分析、資料作成など複数の業務に対応していきます。英語力はもちろん、マルチタスクを効率よく進められる能力が求められます。
応募必須条件はビジネスレベルの英語力(TOEIC800点)であり、英語を使った実務経験があると選考において有利に働きます。こうした求人では、ワーホリや留学先で働いた経験が活かせます。
翻訳などプロフェッショナルな仕事に就くことも可能
なお、TOEICが800点以上あれば英語を使ったプロフェッショナルな仕事に就くこともできます。具体的には、翻訳や通訳といった職種です。日本国内で翻訳・通訳の求人を探すとほとんどの場合において経験が求められます。人気のある職業なので経験者に絞って募集しても応募が集まるためです。
一方で海外転職の場合は、日本国内のように人が集まらないので未経験でも応募可能な求人が存在します。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先はフィリピンにあるWEBサイト・アプリ制作会社です。日本の人気アニメのアプリ開発やコンテンツ制作の販売などを手掛けています。ここで日本の本社とフィリピン支社のスタッフの間に入る橋渡し役として活躍するブリッジスタッフを募集しています。
具体的には日本の本社から送られた指示をもとに、英訳してフィリピン人スタッフに伝えます。英語でのコミュニケーションはもちろん、文書を日本語から英語へ英訳したり、英語から日本語へ和訳したりする英語力が必要です。
応募必須条件は「TOEIC800点以上」「基本的なPCスキル」のみです。求人票には未経験応募可能との記載があるので翻訳や通訳の経験がなくても応募できます。
このような職種に就けば、留学やワーホリで英語を勉強したことが直接仕事に活かせます。
ワーホリ・留学の帰国後におすすめな未経験から挑戦できる海外転職先
なお英語力に加えて、あなたにある分野でそれなりの職種経験があれば転職先には困りません。ただ、職種未経験であっても「20代」「英語力」という武器があれば海外への就職先は豊富にあります。
先に示した秘書や翻訳といった職種以外にも、例えば以下のような職種であれば未経験から挑戦可能です。
- ホテルのゲストリレーション
- カスタマーサポート
- 営業
- 人事
それぞれ詳しく見ていきましょう。
英語をがっつり使える!ホテルでのゲストリレーション
日本人の利用者が多い海外のホテルでは、日本語のできるスタッフが常駐しています。特に外資系ホテルであれば「社内公用語は英語が基本」なので英語力を思う存分活かせます。また日本人以外の宿泊者との会話も英語がメインなので日常的に英語を使えます。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先はタイ・バンコクにある外資系ホテルです。ここで日本人ゲストリレーションとして日本人ゲストの対応をはじめ、様々な国のお客さんの接客を行います。
応募必須条件は「英語でのコミュニケーションに支障がない」「日本国籍者」のみです。求人票には「未経験者歓迎」との記載があります。
また、ホテルであれば住居や食事には困りません。この求人でもそうですが、住居や食事が提供されることが多いです。食費も家賃もかからないので給与の大半を貯蓄に回すことができます。
「英語をがっつり使える環境で働きたい」という方には、このような外資系ホテルへの就職がおすすめです。
キャリアアップも目指せるカスタマーサポート
東南アジアには、ビジネスアウトソーシング企業が世界中から集まっており、海外の企業から様々な業種の外注を請けます。その中でも特に多いのが「カスタマーサポート部門」です。日本人顧客のカスタマーサポート部門の場合は日本人を雇う必要があり、多くの求人が存在します。
ただ、カスタマーサポートと聞くと「留学やワーホリを体験してせっかく英語スキルを身につけたのに、カスタマーサポートで働くのはもったいない」と考える人がいるのではないでしょうか。しかし、カスタマーサポートであってもキャリアアップ可能な企業が存在します。
外注を請けるのはカスタマーサポートだけではないので、様々な職種にステップアップしていくことができるのです。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先はマレーシア・クアラルンプール郊外にあるビジネスアウトソーシング企業です。世界中にクライアントがあり、英語を活かせる環境下にあります。この企業のカスタマーサービス部門に所属するバイリンガルチームで募集があります。
日本人・外国人のお客さんの対応や海外クライアントへの報告書の作成(英語)などが主な業務になります。未経験でも研修(英語)を受けられるため問題ありません。
また、社内昇格やキャリアチェンジ制度もあるので、カスタマーサービスで経験を積んだあとに上のポジションを目指したり違う職種へキャリアチェンジしてステップアップしたりすることも可能です。
応募必須条件は「ビジネスレベルの英語(TOEIC800点以上)」「社会人としての経験」があることです。日本での就労経験・海外での勤務経験があれば選考において有利に働きます。
このような企業で英語を活かして働けば、キャリアアップを目指せるので将来設計も立てやすいです。
フットワークの軽い人には営業職
海外の日本人顧客や日系企業に物やサービスを提供する会社では、日本人による営業が欠かせません。そのため、海外求人の中でも営業職の求人は多く存在します。営業の場合、未経験からでも挑戦しやすく、さらにキャリアも積みやすいです。例えば以下のような求人が存在します。
勤務先はインドネシア・ジャカルタにある日系大手代理店です。既存顧客へのフォローアップと新規顧客への営業アプローチが主な業務です。
応募必須条件は「ビジネスレベルの英語」のみです。日本人顧客が中心ですが、外国人顧客への接客や現地スタッフとのコミュニケーションで英語を活かせます。ベテランスタッフが一からトレーニングしてくれるので未経験でも安心です。
「オフィスで1日中座っているよりも外回りがしたい」というような人は、このような未経験から挑戦できる営業職に応募するといいです。
バックオフィスで活躍できる人事・総務
一方で「営業職のような外回りが苦手」という場合は、バックオフィスで活躍できる人事や総務部といった部署の求人を探すと良いです。ただ、「日系企業の人事や総務部になると英語を使う機会がないのでは?」と心配になる人もいるでしょう。
しかし、社内公用語が英語の会社を選べばこのような部署でも英語を活かして働くことができます。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先はベトナム・ホーチミンにある日系企業です。ここで人事と総務を担当します。仕事内容は「昇給や賞与の基準策定」「日本人とベトナム人の採用をサポート」「総務業務」「ローカルスタッフへの指導」などです。求人票には「社内公用語は英語」との記載があります。
応募資格は「社会人経験3年以上」「ビジネスレベルの英語」「バックオフィス経験3年程度」などです。人事や総務部で働いた経験は問われませんが、バックオフィスで働いた経験が求められます。
社内公用語が英語であれば、日系企業のバックオフィスのポジションでも英語を活かした仕事に就けるのです。
ワーホリ・留学後に国内で英語を活かせる転職先も選択肢の一つ
ここまで海外転職先を紹介しましたが、海外企業と関わりながら国内企業で英語を活かせるポジションも存在します。海外勤務の場合、東南アジアへの赴任が中心となります。一方で、日本国内の企業に就職すれば海外出張という形で欧米などに滞在することが可能です。
例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務先は日本の酒造メーカーです。世界から評価されている日本で有名なお酒の海外営業担当者を募集しています。主な仕事はアメリカでの販売促進活動・飲食店スタッフのトレーニング・現地でのイベント開催などです。
業務内容から分かる通り、ビジネスレベルの英語が必須となります。その他の応募条件は「メーカーでの営業経験」「貿易関連で海外企業との折衝の経験」「英語を実生活で使用した経験(留学など)」のいずれかの経験があることです。
ワーホリ・留学経験があれば応募条件を満たすことができます。アメリカ勤務ではありませんが、アメリカ出張が頻繁にあるので「アメリカで働きたい」と考えていた方には、魅力的な求人ではないでしょうか。
国内の外資系企業でグローバルに活躍する
なお、英語圏に留学やワーホリしていた場合、東南アジアへの海外就職を望まない人もいると思います。そうしたとき、アメリカやカナダ・イギリスなどで就職先を探すのは大変ですが日本国内にある外資系企業に就職すれば、仕事上でこれらの国と関わることが可能です。例えば以下のような求人がこれに該当します。
勤務地は日本の大阪です。イギリス系の船舶商社であり、船舶オーナーや船舶管理会社が顧客です。舶用部品の海外営業を担当します。海外取引先と国内メーカーとの間に入って交渉を行うのが主な業務です。数カ月に1度のペースでアジア・欧州・中近東エリアへの海外出張があります。
応募必須条件は「ビジネスでの英語使用経験」「法人営業経験」があることです。英語については、留学やワーホリ先でのインターンシップの経験や就労経験があればクリアできます。
日本国内にいながら日常的に英語を使い、欧州を含めた国々へ海外出張できます。このような海外出張のある仕事に就けば、海外勤務でなくてもグローバルな経験が積めます。
まとめ
せっかく留学やワーホリで海外経験を積んだのであれば、それを活かした転職先を探すべきです。20代で海外経験とビジネスレベルの英語があれば、職種未経験でも応募できる求人が豊富にあります。具体的に海外求人として、翻訳・秘書・人事・ホテルの受付・カスタマーサポート・営業といった職種があります。
また、日本国内でも外資系企業や国内企業の海外営業のポジションに就職すれば、日常的に英語を使う機会があり、海外出張で頻繁に外国を訪れることができます。
ただし、いずれの職種も20代で若いほど有利になります。そのため、留学やワーホリが終わりに近づいた時点で複数の海外転職サイトに登録して就職活動を始めるようにしましょう。
帰国後のんびりしていると、お金と時間をかけて海外経験を積んだのに「就職できない」「就活に失敗した」という事態に陥る可能性があります。そうならないためにも、TOEICの受験と転職活動をいますぐ開始し、20代の間に英語を活かせるフィールドに転職するようにしましょう。
海外転職を実現するときであっても、転職サイトを利用するのが一般的です。日本に居ながら転職活動をするのが普通なのです(海外在住者も同じく転職サイトを使い、現地で活動する)。
ただ、海外転職に対応している転職エージェントは少ないです。日本にある転職サイトはほとんどが国内求人のみに対応しているからです。ただ探せば、問題なく海外求人に対応している転職サイトを利用することができます。
しかし、海外求人はそれ自体がレアです。また、「アジアに特化している」「専門性の高い求人ばかり保有している」など、転職サイトごとに特徴があります。そこで、2~3社の転職エージェントを利用して、見比べながら求人を探さなければいけません。
人によって狙っている国や求人は異なります。そこである程度まで求人の条件を絞って転職活動をしましょう。そのために必要な「海外対応の転職サイト」の特徴や違いについて、以下で記しています。